ストライク編

2021年12月31日

目次

さあ,ボウリング講座のストライク編です.ボウリングの最大の醍醐味は,なんといっても,1投目で全部のピンを倒す「ストライク」ですね! ストライクのピンの倒れ方(ピンアクション)を知ると,ストライクの狙い方がわかってきます.ここでは,それを紹介します.

ストライクのピンアクション

ストライクを取るのは,ボウリングの最大の醍醐味の一つであるのは,間違いないでしょう. それでは,ストライクはどのようにしてピンが倒れるのか,知っているでしょうか?

ここでは,様々な角度から,ピンの倒れ方を紹介し,ストライクを取るために必要なボールの軌道を理解できるようにしたいと思います.

ストレートボールでのピンの倒れ方

まず,最もわかりやすい例として,ストレートボールがちょうどピンのど真ん中に当たった際の,代表的なピンアクションを紹介します.

上図のように,ストレートボールがピンのど真ん中に当たると,

  1. ボールが1番ピンに当たり,1番ピンを奥に倒す
  2. ボールがそのまま直進する
  3. ボールが2番ピンと3番ピンに当たり,2本のピンを横に倒す
  4. ボールがそのまま直進する
  5. ボールが5番ピンに当たり,5番ピンを奥に倒す
  6. ボールがそのまま直進する
  7. ボールが8番ピンと9番ピンに当たり,2本のピンを横に倒す

といったピンアクションになります. そうすると,4番・6番・7番・10番,の4本のピンのどれか,またはすべてが残る,ということになります.

ストレートボールがど真ん中にヒットして,「よっしゃ〜〜!!・・・あれっ?」ということは,よく経験があると思います. この場合,上図のようなピンアクションになっていて,必然的にピンが残ってしまったのだということを,ぜひ理解してください.

次に,ストレートボールが,少し真中からずれてピンに当たった際の,代表的なピンアクションを紹介します.

上図のように,ストレートボールがピンのど真ん中から少しずれて当たると,

  1. ボールが1番ピンに当たり,1番ピンを2番ピン側に倒し,ドミノ的に4番・7番ピンを倒す
  2. ボールがピンにはじかれ,3番ピン側(右側)に動く
  3. ボールが3番ピンに当たり,3番ピンを6番ピン側に倒し,ドミノ的に10番ピンを倒す
  4. ボールがピンにはじかれ,左側に動く
  5. ボールが9番ピンに当たり,9番ピンを奥に倒す

といったピンアクションになります. そうすると,5番・8番,の2本のピンのどれか,またはすべてが残る,ということになります.

ボールがピンに当たる際に,ど真ん中から少しずれる場合,ずれがわずかであれば,ストライクになることがけっこうあります. しかし,ずれかたが大きくなると,上図のように5番ピンや8番ピンが残る可能性が高くなります.

以上のことから,ストレートボールの場合,ストライクがとるのがやや難しいということがわかっていただけると思います.

ボールの進入角度の重要性

そこで重要となるのは,ボールがピンに当たる際の「進入角度」です. 進入角度が0度(ストレート)ではなく,やや斜めからピンにヒットした場合は,次のようなピンアクションが代表的となります.

上図のように,ボールが1番・3番ピンの間に,ある程度の角度で当たると,

  1. ボールが1番ピンに当たり,1番ピンを2番ピン側に倒し,ドミノ的に4番・7番ピンを倒す
  2. ボールがピンにはじかれ,3番ピン側(右側)に動く
  3. ボールが3番ピンに当たり,3番ピンを6番ピン側に倒し,ドミノ的に10番ピンを倒す
  4. ボールがピンにはじかれ,左側に動く
  5. ボールが5番ピンに当たり,5番ピンが8番ピンを倒す
  6. ボールがピンにはじかれ,右側に動く
  7. ボールが9番ピンに当たり,9番ピンを奥に倒す

といったピンアクションになります. このピンアクションが,理想的で,パーフェクトなストライクです.

ストレートボールの時と大きく違うのは,ボールが5番ピンに当たっているというところです. この差が大きいため,ボールの進入角度が大きくなるように,多くのボウラーは曲がるボールを投げている,というわけです. ご理解いただけたでしょうか.

このような「パーフェクトストライク」を取ることができた時は,ぜひ思いっきりガッツポーズを決めてください!

スピードとパワーの重要性

以上のように,ナイスなコース,ナイスな角度でボールがピンにヒットしても,なかなかストライクにならない場合があります.

コースも角度もOKなのにストライクにならない場合には,「スピード」と「パワー」が足りていない場合があります.

「パワー?スピードが出てりゃいいんじゃない?」と感じるかもしれませんが,これらは別要素です.単にスピードが速いだけだと,ボールが浮いているような感じとなり,ちゃんとピンを倒してくれないのです.野球でいえば,スピードは速いけど重い球と軽い球がある,というような感じでしょうか.

スピードはもちろん重要ですが,パワーに関しては主には「ボールがいい回転をしている」ということです.「いい回転ってなんじゃ」と思われるかもしれないですが,これは説明が非常に難しいです.ボウリングをやりこんでいくうちに「いい回転,パワーがある」というのを体感できるようになると思います.

「パーフェクト」の確率

ここで,ボウラーの夢である「パーフェクト」をとれる確率についてちょっと考察してみます. あくまで統計的な理論値であり,精神状態は考慮に入れていません. (精神状態とは・・・,11連続ストライクが来た後の一球,を想定してみてください.普通には投げられないですよね!!)

「確率」の考え方は簡単です. 「一球投げてストライクが出る確率」を仮定するだけです.

一般的なボウラー(アベレージ100前後)のストライク率は5%〜10%くらい. ある程度上達して,アベレージが150前後であれば,ストライク率は20%くらい. 上級ボウラーであれば,ストライク率は30%くらい. プロボウラーであれば,ストライク率は50%くらい,と仮定します. あくまで「仮定」です. すると,パーフェクト率,何ゲーム投げたら達成するか,1ゲーム10分としてどれくらい投げ続ける必要があるか,という数値を,下記の表のとおりとなります.

ボウラーストライク率パーフェクト率何ゲーム投げたら達成?時間は?
一般5%2.44e-14%4.1京ゲーム779億年
一般10%1.0e-10%1兆ゲーム1900万年
中級20%4.1e-7%2億4414万0625ゲーム4645年
上級30%5.3e-5%188万1676ゲーム36年弱
プロ50%0.024%4096ゲーム28日
トッププロ70%1.4%72ゲーム12時間
パーフェクトゲームの確率

え・・・. 想定していたよりも低い・・・. わたしはたぶんストライク率が30%あるじゃないかと思うので,200万ゲーム近くも投げなきゃいけない・・・. これはあかんです. これまで達成できなかったわけです. 計算して失敗だったでしょうか(笑)

ストライク率70%のプロがいらっしゃるかどうかわかりませんが,ここまでくると,達成は容易ですね.

海外では,3ゲーム連続パーフェクト,なんてことは聞いたことはあります.日本でも2000年以降に達成されたと聞いています.