スペア編
さあ,ボウリング講座のスペア編です.ボウリングでは,1投目に残ったピンを倒す「スペア」は,ストライク以上にとても重要なスコアメイク要素です.残ったピン配置ごとに,どのようにピンを倒すか,スペアの狙い方を紹介します.
スペアの取り方
1投目で10本のすべてのピンを倒せなかった場合,2投目を投げることになります. 2投目に残ったピンを倒せれば,スペアとなります. スペアの場合,次の1投で倒した本数分のボーナスがカウントされるため,スコアアップのためには,ストライクに次いで重要となります(スコア計算に関して詳しくはスコア編にて).
このスペアを狙う際には,狙い方のセオリーがあります. ここでは,それを紹介します.
スペアの基本
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まず始めに,利き腕は「右利き」で,ストライクコースをほぼ決めている,ということを大きな前提とします. 左利きの方は,左右逆にして計算します. また,ポケットコースがどこか,ということを定義する必要があります. いろいろな説があるかと思います. このボウリング講座では,とりあえず下図のように,「17枚目でボールがピンにヒットするコース」を,「ポケットコース」として定義することにします.
また,狙うスパットは「10枚目のスパット」(=2番目のスパット)と定義します. 違うスパットを基準とする場合でも,考え方は同じで,計算方法を修正すれば問題ありません.
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17枚目をポケットコースとして,10枚目のスパットをボールが通るコースは,ナチュラルフックの場合はだいたい図のようなイメージになります.
以下の説明で紹介するスペアは,スペアの典型例です. すべてのスペアが網羅されいるわけではありませんが,たいていは下記のスペアの応用となります.
また中級者・上級者向けの注意点ですが,下の説明は「オイルが均一に分布していること」が条件となります. オイルが均一に分布していないと,想定しているのと曲がり方が変わってしまいます. その点を十分注意してください.
※ このようなオイルの分布の影響を避けるため,スペアボールを使うことがよくあります.
ポケットコースのスペア
ポケットコースで取れるスペア,つまり1投目と同じ投げ方で取れるスペアです. コントロールをつける練習をしっかりと積んでおけば,比較的容易にとることができます.
ポケットコースそのままでスペアを取れる残りピン
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立ち位置を微調整してスペアを取れる残りピン
ポケットコースそのままで取れないことはないですが,微調整すて狙うべきピン配置です.
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★ポケットコースより少し左側にあるため,立ち位置は右に1~2枚移動
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★ポケットコースより少し右側にあるため,立ち位置は左に1~2枚移動
ブルックリンコースのスペア
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ポケットコースとは左右対称に,23枚目付近にヒットするコースです. ポケットコースの投球位置を基準として,立ち位置を3枚右へずらすか, あるいは立ち位置とスパットを左へそれぞれ6枚平行移動することで,ブルックリンコースに投げることができます.
ブルックリンコースそのままでスペアを取れる残りピン
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立ち位置を微調整してスペアを取れる残りピン
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★ブルックリンコースより少し左にあるため,立ち位置を右に1~2枚移動
6・9・10番ピンコース
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右利きの場合,レーンの右側のピンを狙う時は,図のようにレーンをクロスするようにします. 普段,5枚目10枚目とかのスパットを使っている場合でも,たいていは15枚目とか20枚目のスパットを使います. このコースを習熟するためには,ポケットコースの練習とは別の練習が必要となります.レベルの高い方は必ずこの練習を入念に行っています.
10枚目のスパットを通してポケットコースに投げている場合を基準とすると,15枚目のスパットを通して10番ピンを取るには,ざっくり計算すると,立ち位置を17枚左にずらせばOKです. (もちろん,オイルの分布は一様であるという仮定のもとで,です)
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4・7・8番ピンコース
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レーン左隅のピンは,ポケットコースと同じスパットを使って,下図のようにクロスに投げるのがいいでしょう(図では15枚目になっていますが,イメージです). ただ,ポケットコースで5枚目スパットを使っている場合などには,かなり右側から投げる必要がでてきますので,そのような時には,より左のスパットを狙うようにします.
10枚目のスパットを通してポケットコースに投げている場合を基準とすると,15枚目のスパットを通して7番ピンを取るには,ざっくり計算すると,立ち位置を12枚右にずらせばOKです. (これももちろん,オイルの分布は一様であるという仮定のもとで)
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スプリットメイク
1投目を投げて,1番ピンを倒してかつ離れたピンが残った場合,スプリットとなります. スプリットが残ると,スペアをとるのがとても難しくなります. 以下では,よくあるスプリットと,取れる場合はその取り方を紹介します.
ベビースプリット
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最も簡単なスプリットです. 3番ピンと10番ピンの間を通してとるのが基本.左投げにとっては,2番ピン&7番ピンが残った状態です.
曲げるボウラーであれば,6番ピンや10番ピンをとる時のコースで,少し曲げを強めたり,スピードを緩めると,けっこう簡単にとることができます.
曲がらないボウラーであれば,スパット理論通りに投げるのがいいでしょう. ポケットコースから5枚ほど右にピンが行くようにするとスプリットメイクできるため,立ち位置を3枚左にずらすだけでOKです.
平行ピン
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2本残ったピンが,横に並んで平行になっているスプリット. 取れる可能性は十分あります. 残った2本のピン(例では,4番ピンと5番ピン)の間を狙うのが基本です.
見た目としては取りやすそうなのですが,実はとても難しいです.
上記パターンの他,「2,3番ピン」「7,8番ピン」「8,9番ピン」「9,10番ピン」という平行ピンもあります.
ダイムストア
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5番ピンにかすらせるように当てることでとれるスプリット.
5,7は右投げフックボウラー,5,10は左投げフックボウラーには比較的狙いやすいスプリットです.もちろん,スペアは難しいですが,取れた時の爽快感はなんともいえません.
6・7番 or 4・10番
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4番ピン,6番ピンにかすらせるように当てれば,とれるかもしれないスプリット.
かなり難しいですが,狙ってとることができます.
スネークアイ または セブンテン
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まずとれません. 史上最悪のスプリットです. 10ピンをとる練習をしましょう.
もし狙うのでしたら,超スピードボールを投げて,ピンが飛んで跳ね返るのを利用するといいでしょう.
少なくとも管理人は取ったことがないですし,取ったのを生で見たことはありません.
シンシナティ
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ほぼとれません. ひどいスプリットです. 同じく10ピンをとる練習をしましょう.
もし狙うのでしたら,8番ピンや9番ピンの横をちょいとかすめるような感じで狙います.狙わない方がいいです.
クリスマスツリー
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ベビースプリットよりだいぶ難しいですが,そこそことれます. 3・10番ピンの間,2・7番ピンの間を確実に通さなければなりません.見た目が派手(スプリットが2つある)ので,クリスマスツリーと呼ばれるとか.
実は,このスプリットが出たということに問題があるのですが,ボールがパワー不足っていう原因があるんです・・・
リリー または 大三元
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まずとれません.10ピン取る練習をしましょう.状況によっては(たとえば,試合で1ピンを争う場合など),5・7番あるいは5・10番を狙うということはあるかもしれません.
クリスマスツリーと同様,ボールの力が弱いという原因があります. それを克服するため,がんばりましょう.
もし狙うのでしたら・・・,軽いハウスボールを使って思いっきりスピードボールを投げ,吹っ飛ばすと・・・いいかも??
4・7・9・10番
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ボウリングをあまりやっていない人には「なんじゃこれ」という残りかたです.意外と出現率は高いです.まれにとれます.わたしも一回だけとったことがあります.とれるのを何回か見たことがあります.
4番ピン(6番ピン)にかすらせて,9番ピン(8番ピン)に当てます.
ビッグフォー
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試合でこれが出たら,がっくりしているだろうと思います.まずとれません. 6・10番ピンか,4・7番ピンをとる練習台にしましょう.
もし狙うのでしたら,もちろん6番ピンを薄めにヒットさせます.
ビッグファイブ
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とれないとはいえないですが,まずとれないです.とったのを一回だけ見たことがあります.
右からいくか,左からいくかは難しいです. カウントをかせぐなら,もちろんピンの数の多い方を狙います.
狙うなら,ピンの少ない方です.3本のピンがぐしゃぐしゃっとなるのを狙うということです.ふつうはやめた方が無難です.