カーブ編

2021年12月31日

目次

さあ,ボウリング講座のカーブ編です.「ボールを曲げたい!!」と思うボウラー,とても多いです.ここでは,そのためのヒントとなることに関して少しを紹介します.

なぜボールを曲げるのか

「ボールを曲げたい」というのは,多くのボウラーの目標の一つではないでしょうか.プロがカッコよくぎゅぎゅぎゅっ!と曲がるカーブボールを投げてストライクをとるのを見ると,自分もやってみたい!と思いますよね.

でもなぜボールを曲げる必要があるのか,ということを理解していないと,かえってスコアが低下するという弊害を招きかねません.そこで,ボールを曲げる理由を簡単に紹介します.

それは,「より多くのピンを倒すため」です.

プロボウラーが投げるボールは,ほぼ間違いなくフックボールです.Youtube,テレビ番組,ボウリング場で見たことがあるでしょうか.その理由は,より多くのピンを倒すためには,ストレートボールよりも,フックボールであることが重要なためです.

フックボールでピンがたくさん倒れる理由は,「ストライク編」にて紹介しています.ぜひご覧ください.

ボールが曲がる理由

ボールを曲げる理由についてわかったところで(よくわかっていなくても,ボールが曲がる方がよい,と思っていてください), 次に,ボールがなぜ曲がっているのか,という理由について説明します.

ボールがなぜ曲がるのか,ということがわかっていないと, 理想的な曲がり方にはなりません.

ここでは,ボールが曲がる理由を簡単に紹介します.

ボールの回転

まず大事なことは,「ボールが回転しているからボールが曲がる」ということです. ボールとレーンとの間には,小さいですが摩擦力が働いています. そのため,ボールが回転していると,その摩擦でボールが回っている方向に曲がろうとするわけです. ボールに何らかの回転がかかていないと,どのように投げても,まったく曲がりません.

ボールを曲げる第一歩としては,ボールをしっかり回転させること, そしてその回転の向きが,曲げたい方向に回転していること,ということを確認することが大切になります.

ボールがどのように回転しているかどうかを確認するには, ボールに目立つ目印があると見やすいです. たとえば,目立つ色のテープを貼っておくとか,指穴のゴムをカラフルなものにしておく,という感じです. そうすると,それが回転するのを目で追えば, 何回転しているのか,どの向きに回転しているのか,を確認することができます.

テープがない状態
テープを貼った状態
テープなしの場合
テープありの場合
テープなしのアップ
テープありのアップ

参考の動画では,ボールの指穴が黄色なので,テープを貼らなくても比較的回転が見えますが,白いテープを貼ることで,回転が見やすくなっていることがわかると思います. (ボールの回転はこれくらいがいい,という目安ではないので,あしからず・・・.管理人はボールの回転数が少ないので 笑)

ただし,テープを貼る場合は,はがれないように注意してください. また,はがれかけたら,すぐにはがすようにしてください.

レーンにテープが落ちてしまうと,他の人にとても迷惑をかけてしまいます. 特に,公式戦では決してテープは貼らないようにしましょう.練習のときだけ,テープを貼るんだ,と思っていてください.

レーンのオイル

「ボールの回転」で説明したように, ボールとレーンの間には少ないながらも摩擦力が働いています. この摩擦力の大きさを決定しているのが,オイルです.

オイルはレーンを保護する役割もあるのですが, ボウラーにとって気になるのは, ボールの曲がりにどれくらい影響するか, ということだと思います.

レーン上のオイル分布がわかれば, どのくらいボールを回転させ, どのくらいボールのスピードを出せばよいか, どのくらいの角度でボールを投げだせばよいか, ということがなんとなくつかめてくると思います.

しかし,この「オイル分布がわかるようになる」というのは,非常に難しい課題です. 間違いないのは,「コントロールが良くなること」がとても重要です. コントロールが良くなければ, ボールが曲ったのが,オイルの分布のせいなのか,コントロールをミスしたからなのか, その原因をつかむことができないからです.

まずは,日頃のコントロールアップを目指してください. そうすると,おのずと 「あの辺りにオイルが多いぞ」 「あの辺りはオイルが少ないぞ」 「キャリーダウンしてるぞ」 というのがわかるようになってくると思います.

ボールの表面素材

オイルと同じように,摩擦に影響しているのが,ボールの表面素材です. つるつるの表面の場合には,レーンとの摩擦がほとんど発生しなくなるため, ボールを回転させても曲がらないようになります.

逆に,表面がざらざらだったり,粘りのあるような表面の場合には, レーンとの摩擦が大きくなるため,ボールを回転させるとその回転方向によく曲がるようになります.

ボールのコア

意外と見落としがちなのは,ボールのコアです. ボールの内部には重りとなるコアがあり,コアの位置や形状で重さの偏りが生じ,それにより曲がり方が変わってきます. 回転している方向に対して,コアが重く偏っている方にボールは曲がります.

新品のボールに指穴をあける場合,この重さの偏りを考慮して指穴の位置を決定します. 簡単に説明すると,右投げの場合には多くの場合,小指側に重さが偏っていると思います. そのようになっていると,何も考えずにボールを投げると,自然とある程度左に曲がります.

ボールを曲げるコツ

ボールをどうやったら曲げられるのか. 理論的なことはわかっても,なかなか体がついていかないものです. そこで,ボールを曲げるためのコツを紹介します.なお,管理人はあまり曲げるのは得意ではないので,説明は参考程度で見てください.

ボールを回転させる

ボールとレーンの間に摩擦があるため,ボールが回転していれば,その方向にボールは曲ります. つまり,しっかりとボールを回転させると,ボールが曲がるようになります.

ここで難しいのは,ボールをあまり曲げたことがない人が「ボールを曲げるぞ!」と思ってボールを回転させると, たいていうまくいかず,つるつる〜〜っと滑ることになります.

この原因は,ボールの回転軸が垂直に近い,ということが原因であることが多いです. ボールの回転軸が,レーンに対して垂直に近い向きになると,ボールの回転が摩擦力に変わらず,あまり曲がりません. たとえていうならば,ボールがコマのように回転している,という感じになります. コマのような回転ではボールは曲らないため,回転軸をレーンに水平に近くなるように練習する必要があります.

ちなみに,ボールの回転軸を確かめるには,上記「ボールの回転」で紹介したように, ボールにテープを貼るとよくわかります.

曲がるボールを利用する

ボールによって,曲がり方が異なります. おもに,ボールの表面がどのような素材になっているか,によって曲がり方が決まります. ボールの素材には,おおよそ下記のようなものがあります.

  • ラバー
  • プラスティック
  • ウレタン
  • リアクティブ

「ラバーボール」というと,昔の第一次ボウリングブームに投げた世代の方々にとって,なつかしい響きがあるかもしれません. ボウリングの初期は,おもにボールといえば,ラバーボールでした.

そして,自分がボウリングを本格的に始めたころ(1990年代初頭)は,「ウレタンボール」が全盛期でした. 誰も彼もが,ウレタンボールを投げていました.

さらに,1990年中ごろから,「リアクティブ」ウレタンボールというのが登場しました. 詳しいことはよくわかりませんが(すみません),ボールの表面に特殊加工をしてあり,オイルがあるところとないところで,曲がり方が大きく変化するのが特徴で印象的でした. リアクティブボールは,一世を風靡しました.

現在は,リアクティブボールを原点にした,表面加工がほどこしてあるボールが主流となっています. おそらく,初めてに購入することになるボールも,こういった表面加工がほどこされたボールだろうと思います.

こういったボールは,ボールに回転をかけることで,初めて曲げることが可能となります. ボールに回転をかけることは,ボールが進化しても,とても重要なポイントとなります.

ちなみに,プラスティックボールは,スペア用に「曲がらないボール」として使われています. 回転をかけても,表面がつるつる滑ってほとんど曲がることがありません.

オイルを削る

レーン上にひいてあるオイルを,意図的にけずっていくという高等テクニックです. ボールに回転をかけて投げると,レーン上のオイルがある場所では滑り,オイルがなくなるとボールが曲がる,というように,ボールが動きます.

通常,レーンのメンテナンスを行った直後のレーン上には,オイルがひいてあるため,全般的に曲がりづらくなっています. ところが,ボールを投げるたびに,ボールの軌跡に沿って,レーン上のオイルが少しずつ削られていきます.

こういった現象を利用して,自分好みのレーンオイルコンディションにする・・・,というテクニックがあります. しかし,通常はあまりここまで考える必要はないかと思います. 頭の片隅に,ちょこっと入れておくと,よいことがあるかもしれません.